昨秋十一月七日、雲ひとつない紺碧の空のもと、小田原市の峰樹山大乗院において、本堂落慶法要が営まれた。
境内は五色幕、紫幕、天幕、堂内には奉祝の生花、紅白餅等のお供え物の荘厳の内にも、華やかさにつつまれ、二百五十名をこえる檀信徒の参詣を得て、総本山園城寺より大導師様として福家俊明長吏猊下をお迎えいたしました。
午前十一時、滋賀よりご来山いただいた山伏の吹き鳴らす法螺を先頭に、長吏猊下、大乗院・役住職、式衆十名が入堂し、本堂落慶法要が厳修された。
大導師が着座され、鐃打ち鳴らされると、堂内は一瞬静まりかえった。 伽陀が唱えられる中、お導師様によりご本尊不動明王が開眼された。
次いで唄、散華、供養文、表白と続き、魅力ある二名の女性による創作舞踊「玄有」の奉納の後、経段、後唄、回向と法要は厳修された。 < 引続き式典に入り、管長猊下より役淳光住職に権僧正の昇級辞令が親授され、本堂新築建設関係者、檀信徒特別志納者の方々への感謝状と記念品が贈呈された。 また、本堂向拝に院号額を彫刻された伊勢の清水達夫氏には、役住職から感謝状と記念品が贈呈された。
本堂落慶を祝し、長吏猊下よりご挨拶を賜りました。 ご来賓の新宮山彦ぐるーぷ玉岡憲明代表代理として山上皓一郎氏、檀信徒総代小山照子氏よりも心温まるご挨拶を戴きました。 最後に役住職の謝辞があって、落慶法要式典は滞りなく奉修された。
さらに、本堂前に新宮山彦ぐるーぷの方々が、はるばる和歌山から運ばれた由緒ある「荘川桜」を、長吏猊下のお手植えにより記念植樹式が行われた。 境内には四張りのテントが用意され、地元「ふくざわ保育園」の先生方により「八重桐姫太鼓」が賑やかに披露されるなか祝宴は続いた。
大乗院は役行者の一族で、慧心法役により八世紀初頭に創建され、天正十九年、時の城主北条の嫡子、政忠(宗傳)を養子に迎えて再建され、今日に至っております。
本堂は五間×五間半、客殿は三間×十間、銅板葺、総檜造りという純木造建築技法により、三年の歳月を費やし、本日めでたく竣工し、落慶法要は円成した。 (権少僧都木村真良記)
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